事業を行っていると切っても切れない
存在として「税理士」があります。
でも、事業を行う上で
大切な存在のはずの税理士に対して
不満を持っている人が多いのも事実です。
今回は、税理士選びにおいて、
税理士の立場から選び方の
ポイントを紹介します。
大事なのは、大きく分けて次の二つ
税理士を決める際に重要なのは
私自身は次の二つだと思います。
・ 相性
・ 得意分野
「相性」と「得意分野」です。
それぞれ、詳しく見ていきます。
一にも二にも「相性」
私自身、ここに尽きると思っています。
自分がお金を払って、
事業の事を教えてもらうのに
「相性」が悪い人に
躊躇せずに質問ができるか?
という事です。
これ、一番重要だと思います。
案外、このやり取り
ストレスの原因になります。
よく聞くのは、
本当は質問したいけど
聞きにくいから自分で調べて解決した
という話です。
自分で調べる事は、
非常にいい事です。
それは、否定しません。
でも、意外と危険です。
税務の判断を要する場合に、
事実が確定する前に相談があれば
何とかできても
事実が確定した後だと
すでに手遅れってこと、意外とあります。
「先に言ってくれれば・・・」
なんてことになったら、
何のために税理士にお金払っているのか
となってしまいます。
このちょっとした質問でも
聞きやすいか
聞きにくいか
は、大きな問題です。
ぜひ、契約を行う前に
会うかZoom等において、
話をしてみましょう。
そこで違和感があれば、
NGと思いましょう。
これも大事、「返事の早さ」
案外、ここもよく聞きますが
返事の早さも重要です。
先程の相性とも関係しますが、
簡単な事だからすぐ教えてほしい
場合でも、返事に1週間以上かかる
なんて事、意外に多いんです。
こういう部分も、
徐々にストレスになり、
「どうせ聞いても、すぐ返事ないし」
となってしまい、
気軽に聞けない関係性に陥ります。
それを見抜く方法は、
ホームページなどの問い合わせをして、
その後の返事の早さで見てみましょう。
自動返信機能がある場合は、
その後の2度目の返信の早さです。
この時点で、「遅い!!」と感じたら、
その後もほぼ確実に遅いです。
契約は見送ることで
ほぼ問題ないと考えましょう。
ビジネスの世界で、
何か聞かれたら、何らかのアクションをする事は
常識だと思うんですが、
税理士業界では、世間との認識とズレが
あるのは、非常に残念に思ってしまいます。
見落としがちな「得意分野」
これも結構重要です。
「税理士だからなんでも解決できる」
は大間違いです。
お医者さんの場合、外科や内科があるように
税理士にも得意分野があります。
その得意分野が何かを知らずして
税理士に連絡を取るのは、
歯が痛いのに整形外科に行くようなものです。
そのようなミスマッチを防ぐには、
次の事をはっきりしておきましょう。
・ 税理士に依頼して何を解決したいか
・ 税理士自身が解決してほしい事を得意分野としているか
・ 予算はいくらかけられるか
何を解決したいか
税理士にお願いすることによって
どんなお困りごとを解決してほしいのか?
を言語化しておくことです。
例えば
・確定申告書を作りたい
・日々の記帳の相談
・資金繰りの改善
・経営全般の相談役
等々
それは、人それぞれ違います。
それらを言語化し、
どこまで自分が求めているものと
近いかを聞くことです。
これは、詳細であればあるほど
ミスマッチを防ぐ可能性が高くなります。
たくさんある場合でも、
その中で譲れないものと
譲れるものの優先順位をはっきりさせ、
優先順位の高いものに
違和感を感じたなら、
契約をしない方がいいと考えます。
まずは、何を解決したいか
をはっきりさせましょう。
税理士自身の得意分野か
先程の解決したい事と重複しますが、
解決したいことに対して、
その税理士が得意としているかどうかです。
解決したいことに対し、
その税理士が得意分野としていなければ
契約は見送る対象です。
中には、なんでも対応可能
という税理士もいます。
この得意とする分野に対して
・誰が対応するのか
・業種や会社規模
・どのくらいの経験
を確認しましょう。
意外に「誰が」は重要です。
事務所内で複数人税理士がいれば
その事務所内で対応可能でしょうが、
一人の税理士ですべて対応であれば、
若干怖い気がします。
一人でできる範囲って
やっぱり限られているので、
全てを一人で対応する事務所は
避ける方がよいと考えます。
業種や会社規模が
似通っている場合は、
検討の価値があるかと思います。
業種や会社規模が同じような
案件を扱っていれば、
起こる事柄も似通ってきます。
そうすると知見も合わせ持っている
可能性が高いですので、
前向きに検討してみましょう。
最後は「経験」です。
気にする方も多いのは事実です。
ただ、経験が不足しているから
一律ダメっていうのも勿体ない気はします。
確かに安心の為に「経験」は
重要な要素ですが、
私はそれよりも、
その経験不足を補うだけの
士業間ネットワークを持っているか
だと考えます。
経験が少なくても
お客様サービスを重視する税理士もいますし、
経験があっても、その逆の人もいます。
気になる税理士がいる場合、
経験不足を補えるだけのネットワークが
あるか否かで判断するのは
私は「あり」だと思います。
予算はいくらか
残念ながら、
安い金額できめ細やかなサービスは
受けられません。
限られた予算の中で、
譲れないサービスを受けるための
サービスの取捨選択が必要となります。
必ず受けたいサービスを受けるために
自分で行わなければいけない業務も
出てくるかと思います。
予算が掛けられない場合は、
ある程度自分で解決し、
解決できない部分のみ
依頼するという選択肢も考えておきましょう。
まとめ
今回は、税理士選びについて紹介しました。
最も重要と紹介した「相性」ですが、
どうしても知られたくない部分なども
話す必要がある中で、
相手との相性が悪ければ
せっかく掛けた費用が
意味をなさなくなってしまいます。
折角、費用をかけるのであれば
相性はじっくり吟味すべきです。
相性は、ずっとついて回ることで、
一度こじれると、元に戻すのは
ほぼ不可能です。
決して安くない税理士報酬、
生きた出費となるよう
じっくり税理士選びを行いましょう。