青色申告特別控除(65万円)の受け方

確定申告

確定申告が本格化したこの時期ですが、
不動産の賃貸を行っている方や
事業をやっている方の中には、
青色申告にしようかどうか迷っている方もいるかと思います。

今回は、青色申告のうち、
青色申告特別控除をご紹介します。

青色申告特別控除って?

まずは、青色申告特別控除とは何か?ですが、
国税庁のサイトでは、以下のように紹介されています。

◆青色申告特別控除のあらまし

1 不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいる青色申告者(現金主義によることを選択している方を除きます。)で、これらの所得に係る取引を正規の簿記(一般的には複式簿記)の原則により記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付して法定申告期限内(還付申告の場合も翌年3月 15 日まで)に提出する場合には、原則としてこれらの所得を通じて最高 65 万円又は 55 万円を控除することができます。
 なお、65万円の青色申告特別控除を適用するためには、①e-Taxによる申告(確定申告書及び青色申告決算書のデータを送信)又は②電子帳簿保存を行うことが必要となります。

2 1の控除を受ける青色申告者以外の青色申告者(1の控除を受けないことを選択した人を含みます。)は、不動産所得、事業所得、山林所得を通じて最高 10 万円を控除することができます。

(注)青色申告特別控除額は、不動産所得、事業所得、山林所得から順次控除しますが、1の特別控除については、山林所得に適用されないほか、事業的規模でない不動産の貸付けによる不動産所得にも原則として適用されません。

国税庁ホームページより



要件を簡単にまとめますと、以下の通りです。

1. 青色申告者(事業的規模の不動産所得か事業所得)
2. 複式簿記で記帳
3. 貸借対照表と損益計算書を作成
4. 期限内に申告(翌年の3月15日まで)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2021/pdf/046.pdf

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青色申告者

大前提ですが、事前に「青色申告承認申請書」の
提出をしていないと適用されません。

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提出されていない方は、
まずは、こちらの申請書を提出しましょう。

ただし、遡っては適用できませんので、
2023年から適用する場合は、
2023年3月15日までに提出が必要です。



その上で、
事業所得が生じているか
事業的規模の不動産所得が生じていることが
必要となります。

事業的規模の不動産所得とは、
以下の通り、概ね「5棟以上または10室以上」
とされています。

No.1373 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分|国税庁www.nta.go.jp


複式簿記で記帳

白色申告の場合や青色申告の10万円控除の場合、
以下のような簡易的な帳簿も認められています。

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こちらの帳簿であれば、
収入と経費のみを集計する形式となります。


青色申告の55万円又は65万円の控除をおこなう場合は、
収入や経費の支出をした結果、
財産や債務が増減したことを記帳する必要が出てきます



例えば、売上10万円を現金でもらった場合、
複式簿記では、以下のような仕訳を行う必要があります。

(借方)現金 100,000 / (貸方)売上 100,000

複式簿記では、
売上10万円が発生したことにより、
現金10万円が増加したという結果まで
記帳します。

このように、仕訳という形で
要因と結果を表す方法を
「複式簿記」と呼びます。



貸借対照表と損益計算書を作成

先程の仕訳を1年間積み重ねた結果、
1年分を集計すると
貸借対照表と損益計算書ができます。

こちらの複式簿記での記帳と
貸借対照表・損益計算書の作成は、
現状では、手作業で行うのは厳しい状況です。

やはり、会計ソフトを導入することが
最短の方法になるかと考えます。

期限内に申告(翌年の3月15日まで)

最後に、提出期限があります。

翌年の3月15日まで
必ず申告しましょう。

1日でも過ぎると、残念ながら
1円の控除も認められません。


65万円の控除には、あと一つ必要

ここまで、青色申告特別控除を受ける場合の
4つの要件を紹介してきました。

ここまでできていれば、
「55万円」の控除は受けられます。

65万円の控除を受ける場合、
あとひとつ必要です。

要件は以下のいずれかです。

1. e-Taxによる電子申告
2. 電子帳簿保存

e-Taxによる電子申告は、
国税庁の確定申告作成コーナーを使用すれば
可能です。

【確定申告書等作成コーナー】-作成コーナートップwww.keisan.nta.go.jp



次の電子帳簿保存ですが、
会計ソフトを導入することが必須な上、
優良電子帳簿である必要があります。

少し受けるためには、ハードルが高くなります。



よって、可能な限り、
e-Taxによる電子申告がお勧めです。

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まとめ

今回は、青色申告特別控除を
紹介しました。

この65万円の控除ですが、
支出を伴わない「必要経費」が
認められることになります。

白色申告でも記帳が必要な事を考えると
検討する余地は、充分あるかと思います。




弊社では、記帳のコンサルティングを行っています。
記帳にお悩みの際は、
こちらのお問い合わせよりご連絡下さい。


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