今回、ご紹介するのはこちらの日本経済新聞の記事より地方の預金60兆円についてです。
この60兆円という膨大な金額の行先について、問題点を考えていきます。
地方の預金60兆円、大都市が吸引 地域金融に相続の試練 チャートは語る – 日本経済新聞【この記事のポイント】・全国の預金60兆円が今後30年で東京圏に・相続が主な契機でメガバンクが受け皿に・信用金庫は預金の伸www.nikkei.com
相続で預金増
以前、以下の記事でも紹介しましたが、実は相続が発生した場合の相続財産にも変化が出ています。
相続財産の推移
まず先に、相続財産の構成比の推移の比較です。
データのある平成25年以降、「土地」が常にトップでしたが、令和3年に「現金・預貯金」がトップに立ち、トップの交代がなされています。
次に、「現金・預貯金」の金額の推移を見ていきます。
このデータは、そもそもの相続税の申告書を出した件数にも左右されるので、以下の表と合わせて比較します。
上記の表では、平成27年に課税対象被相続人数が増えています。
これは、相続税法の大幅な改正があった影響を受けているので、課税対象となった被相続人数が急激に増えています。
よって、平成27年の現金・預貯金の金額と令和4年で比較してみます。
平成27年:4兆7,996億円 10万3千人
令和4年:7兆6,304億円(158.9%) 15万1千人(146.6%)
こちらの数値を見ると、被相続人の人数が1.5倍弱に対し、金額が約1.6倍と被相続人一人当たりの現金・預貯金額が増えている事がわかります。
また、同期間の土地が約1.2倍の伸びに留まっていることを考えても、現金・預貯金の伸びが大きい事が証明されています。
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2023/sozoku_shinkoku/pdf/sozoku_shinkoku.pdf
預貯金以外でも伸びている財産が
預貯金以外にも、同じく伸びている財産があります。
それが、「有価証券」です。
平成27年:2兆3,368億円
令和4年:3兆5,702億円(152.8%)
これ、現状での株価の上昇から考えると当然の結果かと思いますが、こちらの集計が令和5年10月31日までに提出された相続税申告書ですので、最近の日経平均株価4万円超の影響は加味されていません。
また、この株高の影響は、上場株式のみではありません。
非上場の株式も影響します。
その計算方法は、以下のブログで解説していますので、こちらよりご確認下さい。
https://note.com/embed/notes/n51a92823023d
預金が東京一極集中だと
この預金ですが、東京に集中してしまう問題点について、触れてみます。
当然ですが、地方から東京へお金が移動しますので、地方のお金が減ります。
すると、地方の金融機関は預金量が減るので、貸出できる資金も減ります。
という事は、地方の中小企業は、より融資を受けるハードルが上がることが想定されるので、中小企業にとってお金を借りにくい状況がさらに加速されることになります。
この状況からも、人口に続いてお金も東京一極集中になる流れを食い止めなければ、地方はドンドン衰退していくと考えられるので、地方の金融機関にとって正念場と言えると思います。
まとめ
今回は、預金の60兆円の行先について、紹介しました。
地方都市にとってみれば、この流れを食い止めなければ、さらに融資が難しくなる可能性がありますので、地方にお金が残る仕組みを作ることが課題となります。
その為にも、相続が発生した際には、地元の地銀などに預ける等の工夫がますます必要になります。
まずは、自分自身で出来るところから、実施してみましょう。
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