今回は、事業承継の開始するのに
一体何歳から取り掛かるべきか?
という事を紹介していきます。
最初に断っておきますが、
これはあくまでも私の私見です。
絶対的な正解でもなければ、
強制もされず、
あくまでも理想形として
読んで頂ければと思います。
年代別に見る後継者不在率
まずは、帝国データバンクが
公表している「年代別後継者不在率」を
見ていきます。
帝国データバンク:全国「後継者不在率」動向調査(2023 年)
2023年の数値から見ると、
以下の通りです。
30代未満:85.3%
30代:82.9%
40代:75.1%
50代:60.0%
60代:37.7%
70代:29.8%
80代以上:23.4%
ここで、後継者というと
主には、「子供」が多いかと思います。
30代や40代の方の後継者不在率が低いのは、
当然と言えば、当然でしょう。
30代や40代であれば、
後継者候補がいないか
まだ学生という方がほとんどかと思います。
よって、「誰に?」という
状況かと思います。
50代から60代の減り方
次に50代が「60.0%」に対し、
60代は「37.7%」となっています。
実にこの10年間で
22.3%の会社で後継者候補が
決まっているという状況が見てとれます。
ずばり、50代から
私見ですが、事業承継に取り掛かる
ベストタイミングは「50代」と考えます。
50代であれば、
後継者候補である子供が
20代の前半から中盤である方が
多いのではないかと思います。
大学を卒業したか、
新卒で入社して数年経過した
というタイミングです。
このタイミングが家業に入社するタイミング
理想は、新卒で入社した会社で
3~5年程社会人経験し、
家業に入社。
その後、現場を経験し、
徐々に責任ある部署を経験。
そして、本格的に後継者として
経営者の引継ぎ(見極め)を行っていきます。
その時点で、50代後半となれば
引継ぎ期間も充分とれる
と考えられます。
事業承継には、時間がかかる
先程も言いましたが、
後継者候補として入社しても
すぐに経営者としての教育は難しいでしょう。
現場の社員の同意が得にくい
事が多いです。
その為には、数年は
現場社員と同じ仕事をする期間が
必要であり、この期間が
後継者の経営の成否を分ける
と言っても過言じゃない程、重要となります。
そして、いざ経営者としての
引継ぎ期間に入って、
「経営者として合格」かを見極めます。
逆に、経営者として不合格
という判断になると、
また一からやり直しです。
この、もしダメだった時の為にも
早く取り掛かるのが最善の策
となるのです。
引継ぎ(見極め)期間中にやるべき事
先程の経営者としての
引継ぎ(見極め)期間を
5~10年と考えると
完全にバトンタッチをできるのが
65歳前後となります。
これ以降は、会長や相談役として
後継者をサポートするもよし
完全に引退するのもよし
と考えます。
この「経営者として合格」となった時が
株式を移転してもよい時期です。
世の中では、株価が低いうちに
株式を移転しましょう
なんて言う人もいますが、
私は、この経営者として合格した時
が最適な時期と考えます。
そして、この引継ぎ(見極め)
期間中に同時並行でやるべき事
を、この後紹介します。
株価を下げる
経営者としての見極め期間中は、
5~10年程の期間を要し、
この間に、株価が下がるような
方法を実行しましょう。
株価は、一気に下げる事は難しいですが、
数年かけて、じわじわと下げる
という意識で、取り組みましょう。
例えば、値下がり不動産を売却したり、
含み損のある資産を売却したりと
それは、会社によって様々です。
このじわじわ下げが
後々効いてきます。
後継者の財源を確保
そして、もう一つが
後継者の財源の確保です。
現経営者から後継者に
株式を移転する場合、
色々な手法がありますが、
中には、後継者に多額な税額負担を
強いられることもあります。
例えば、生命保険を活用したり
役員報酬を増やしたりなど、
こちらも様々です。
この期間での、財源確保は
その後の手法の選択肢においても
間口が広がり、余裕が生まれます。
遅れているからといって、手遅れではありません
では、もう既に60代だからと言って
諦める必要はありません。
今すぐ始めればいい事です。
ただし、以下の二つは必須です。
・ 引継ぎ(見極め)期間の確保
・ 引継ぎ(見極め)期間後の株式移転
この二つの時間を確保しつつ、
前半の現場体験を省くなどの
対策で乗り切るようにしましょう。
まとめ
今回は、事業承継の初め時
を紹介しました。
今日ご紹介したように
事業承継は、1分でも
1秒でも早く取り組む方が
選択肢も広がります。
早めの対策をするように
心掛けましょう。
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