今回ご紹介するのは、中小企業において該当する会社も多いかと思いますが、「少数株主」問題についてです。
少数株主は、特に会社の重要な決議に影響しないので、あまり重要視している社長さんが多いですが、放っておくと状況を難しくしてしまいます。
今回は、少数株主問題について、放っておくデメリットと対策をご紹介します。
中小企業の2割は、株式の買取請求をされている
少数株主の存在する中小企業において、経営上困ることは何かですが、そのトップは「株式買取請求をされた」という回答が20%となっています。
中小企業でも、ある日突然、株式の買取請求をされることがあり、思わぬ資金負担が必要になったという事です。
この買取請求ですが、会社の株式評価によっては、大きな金額になる事が想定されるので、まずは自社の株価がいくらなのかを見積もる事が重要です。
株式の譲渡制限があるから大丈夫と思っていませんか?
中小企業の登記事項証明書(登記簿)を見ると、以下のような株式の譲渡制限が規定されているから安心と思っていませんか?
この譲渡制限の規定ですが、文字通り譲渡に関して「制限」が掛かっていますが、譲渡が「禁止」されている訳ではありません。
よって、少数株主は、自分で譲渡先を見付けて、会社が承認をすれば売却は可能です。
具体的な譲渡の流れは、以下です。
1. 株式譲渡の承認請求
会社に対し、株式譲渡の承認請求を書面で行う
2. 会社で承認
株式譲渡を承認するか否かを決定する
3. 株式譲渡承認の通知
会社は、2週間以内に承認の可否を株主に通知
4. 譲渡契約の締結
承認されれば、譲渡契約を締結し譲渡
会社側が株式譲渡を否決した場合
中小企業において、全く知らない株主が参加する事を好まない会社が多いので、譲渡が承認されない事がほとんどです。
その場合に、会社が取れる方法は以下の二つです。
1. 会社が買い取る
2. 会社が買取者を指名する
当然ですが、否決をすると、会社が買い取り先を見付けられなければ、会社が買い取るしか方法はなくなります。
そして、買い取る価格ですが、当事者間での協議となります。
もし、まとまらなければ裁判所で決定することになります。
少数株主対策をしなかった場合のリスク
ここからは、少数株主に対して何も対策を行わなかった場合のリスクを紹介します。
買取請求による、思わぬ資金負担
先程も紹介したように、ある日突然買取の請求を受ける事があります。
よくあるのが、株主側に「相続」が発生したようなケースです。
よって、常に株主の現況を確認しておくことが重要となります。
株主に相続が発生すると、株主の権利は分断する
先程と似ていますが、株主側に相続が発生すると株主に与えられる権利も分断します。
株主である本人は、会社の元役員や従業員であったりするケースがあり、会社とはなんらかの関係性がある場合も多いかと思いますが、その相続人は会社とは何の関係性もない事が想定されます。
その場合、望ましくない人物が株主として相続する事も想定されます。
少数株主の権利
株主について、議決権の割合により、一定の権利が付されています。
場合によっては、面識のない株主に会計帳簿の閲覧を請求されることも考えられます。
まとめ
今回は、中小企業の少数株主について、ご紹介しました。
株主が元気な間は問題ありませんが、株主側に相続が発生してしまうと、どんどん縁遠くなり、交渉の難易度は増す一方です。
もし、会社側に事業承継がなされれば、後継者は先代経営者より少数株主との結びつきが弱く、より交渉は困難を極めます。
早めに、会社の株主構成を整理し、少数株主に対する対策を行うようにしましょう。
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