インボイスの発行義務
徐々にインボイスについて、
話題に上がることが多くなってきましたが、
今回は、インボイスが必要なのか否かが
よくわからず、
インボイスの発行事業者登録に迷っている
方の参考になればと思います。
まず、インボイスについてですが、
消費税法では以下のように
規定されています。
(適格請求書発行事業者の義務)
新消費税法 第57条の4
第五十七条の四 適格請求書発行事業者は、国内において課税資産の譲渡等を行つた場合において、当該課税資産の譲渡等を受ける他の事業者から次に掲げる事項を記載した請求書、納品書その他これらに類する書類(以下「適格請求書」という。)の交付を求められたときは、当該課税資産の譲渡等に係る適格請求書を当該他の事業者に交付しなければならない。ただし、当該適格請求書発行事業者が行う事業の性質上、適格請求書を交付することが困難な課税資産の譲渡等として政令で定めるものを行う場合は、この限りでない。
一 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
二 課税資産の譲渡等を行つた年月日
三 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
四 課税資産の譲渡等に係る税抜価額又は税込価額を税率の異なるごとに区分して合計した金額及び適用税率
五 消費税額等
六 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
最初に整理しておきたいのが、
インボイスは「すべての事業者が
必要となるわけではない」
ということです。
消費税法では、
「他の事業者」から
「交付を求められた」場合に
インボイスを交付しなければならない
という事となります。
よって、
交付を求められなければ必要ない
ということになります。
では、交付を求められることがない場合とは
どのような場合かを考えてみます。
・ 消費者
・ 相手が国外の事業者
・ 相手が簡易課税制度を選択している場合
上記の2点の場合、
インボイスの発行を求められることは
ほぼ想定されません。
消費者の場合
以下でも紹介しましたが、
消費税は預かった消費税から
支払った消費税を差し引いて
納税を行います。
この差引計算をする
支払った消費税の証明の為に
インボイスが必要となる訳ですが、
そもそも消費者は
支払った消費税の計算もなければ、
証明書を取得する必要もない訳です。
よって、商売を行う上で
一般消費者とのみ取引を行っている
場合は、「インボイスがほしい」と
言われる可能性は非常に低いと考えられます。
相手が国外の事業者の場合
次に相手が国外の事業者である場合です。
消費税では「免税取引」といいます。
この場合、先ほどの消費者と同じですが
取引の相手方が国外の事業者である場合は、
日本の消費税制度である
支払った消費税の差引計算を
する必要がありません。
(消費税の納税義務がない)
よって、支払った消費税額を証明する
必要がありませんので、
インボイスは必要ありません。
したがって、物を作って
すべて輸出するようなケースでは
インボイスが必要ないことも
考えられます。
相手が簡易課税制度を選択している場合
最後は簡易課税制度を選択している場合ですが、
消費税では売上が5,000万円以下の場合、
支払った消費税の計算は
簡易的にあらかじめ決まった率を
使用して計算することができます。
よって、支払った消費税を証明する必要が
こちらもないので、インボイスは
必要ないことになります。
ただし、こちらは
取引の相手方が
簡易課税か否かの判断は
つきませんので、
こちらの理由だけで
インボイスの発行事業者登録を
しないという判断はお勧めできません。
まとめ
今回は、インボイスの発行事業者
登録について、
必要か否かの判断の
参考情報をご紹介しました。
もし、取引の相手方が
事業者ばかりという場合は、
インボイスの登録をすることを前提に
影響額を試算することをお勧めします。
インボイスに迷った際は、
こちらのお問い合わせよりご連絡下さい。
各々の事業に合わせて
インボイスのアドバイスをさせて頂きます。